セルフケアのやり方——臨床心理士が教える具体的な8つの方法

「セルフケアが大事」とよく聞きますが、いざやろうとすると何から始めればいいかわからない、という方は多いのではないでしょうか。この記事では、カウンセリングの現場で実際に役立っている8つの方法を、できるだけ具体的にご紹介します。

■ セルフケアって、そもそも何をするの?

セルフケアという言葉、「自分を大切にすること」というイメージはあっても、具体的な行動が浮かびにくいかもしれません。私が現場でよく聞くのは、「何かやろうとするけれど、結局やる気が出なくて何もしない」という声です。それ自体、疲れているサインかもしれない。だからこそ、まず「特別なことをしなくていい」というところから始めたいと思います。

■ なぜセルフケアが続かないのか

心身が疲弊しているとき、人はエネルギーを「自分を回復させること」より「今日を乗り越えること」に使いがちです。これはストレス反応として自然なことで、意志が弱いわけではありません。「やらなきゃ」と思うほど、かえって億劫になる——そのメカニズムを知っておくだけで、少し楽になることがあります。

■ 今日から試せる8つのセルフケア

● 10分だけ外を歩く
長い散歩でなくていいです。光を浴びて体を動かすだけで、気分が切り替わることがあります。

● 昨日より少し早く寝る
完璧な睡眠環境を整えるより、まず「今日より30分早く横になる」だけでも違います。

● 今日うまくいったことを1つ思い出す
「うまくいったこと探し」は自己肯定感の土台になります。小さいことで十分です。これはポジティブ心理学の創始者マーティン・セリグマン博士(Martin Seligman, Ph.D.・ペンシルバニア大学)が提唱した「Three Good Things(良かったこと日記)」の実践に通じるもので、うつ・幸福感への効果が示されています(Seligman et al., 2005)。

● お気に入りの飲み物をゆっくり飲む
忙しいときほど、5分の「意図的な休憩」が回復に効きます。

● 連絡を返さなくていい時間を作る
常にオンラインでいることは、思った以上に消耗します。意識的に「つながらない時間」を持ちましょう。

● ストレッチを1分やってみる
体の緊張は、気づかないうちに心にも影響します。首や肩をほぐすだけでも違います。

● 「今日どう感じたか」を3行だけ書く
感情を言葉にする行為自体に、ストレス軽減効果があること(ジェームズ・ペネベーカー博士 / James Pennebaker, Ph.D.・テキサス大学オースティン校の表現的筆記研究, 1986〜が代表的)がわかっています。

● 「これで十分」と一度だけ言ってみる
自己批判を和らげるためのセルフコンパッションの入口になります。

■ まとめ

8つすべてをやろうとしなくていいです。まず一つだけ。それを「続けよう」とも思わなくていい。今日一度やってみる、それだけで十分です。

もし一人で抱えていることがあれば、カウンセリングで一緒に整理しませんか。初回30分は無料です。

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■ 参考文献・参考資料

● Seligman, M.E.P., Steen, T.A., Park, N., & Peterson, C. (2005). Positive psychology progress. American Psychologist, 60(5), 410–421.

● Pennebaker, J.W., & Beall, S.K. (1986). Confronting a traumatic event: Toward an understanding of inhibition and disease. Journal of Abnormal Psychology, 95(3), 274–281.

● Lieberman, M.D., et al. (2007). Putting feelings into words: Affect labeling disrupts amygdala activity in response to affective stimuli. Psychological Science, 18(5), 421–428.

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