季節の変わり目に気分が揺れる理由——気候とメンタルの整え方

「なんだか最近、気分が上がらない。理由は思い当たらないのに、朝起きるのがやたらしんどい」——季節の変わり目になると、こういう声が一気に増えます。実際、私のカウンセリングでも夏の終わりから秋口にかけては相談が増える時期なんですよね。この記事では、季節の変わり目に気分が揺れる理由を、体のしくみと心理の両面から整理してみます。そのうえで、今日からできる整え方をお伝えします。

目次

気のせいじゃない、季節の変わり目のしんどさ

「特に何かあったわけじゃないんです。でも、なんとなく重い」。この「なんとなく」が一番やっかいだったりします。原因がはっきりしていれば対処もできますが、理由がわからないと「自分が弱いのかな」と自分を責める方向にいきやすいんですよね。

季節の変わり目に出やすいサインには、こんなものがあります。

● 朝、布団から出るまでの時間が長くなる
● 日中に強い眠気やだるさが出る
● 頭痛・肩こり・胃の不調が増える
● いつもなら流せることにイライラする
● 週末に何もする気が起きない

実際のセッションでよく聞くのですが、こういう状態のとき、多くの方は「気合いが足りない」と解釈しています。でも、体のほうが先に反応しているだけ、というケースがかなり多いです。順番が逆というか、正確には「心が弱ったから体が不調」ではなく「体が消耗しているから心も揺れる」ことのほうが多い気がします。

なぜ季節の変わり目に気分が揺れるのか

大きく分けて、3つの背景があります。

1つめは、自律神経の負担です。自律神経(内臓や血管、体温などを自動で調節している神経)は、気温や気圧の変化に合わせて体を調整し続けています。1日の寒暖差が7度を超えるような時期は、この調整が休みなく働き続ける状態になります。エアコンの効いた室内と屋外を行き来するだけでも、体は切り替え作業をしているわけです。その分のエネルギーが、当然どこかから引かれます。

2つめは、日照時間の変化です。光を浴びる量が減ると、気分の安定に関わるセロトニンという神経伝達物質(脳内で情報をやりとりする物質)の働きが落ちやすくなります。冬にかけて気分が落ち込みやすくなる「季節性感情障害」という状態は、この光の量との関連が指摘されています。秋口の「なんとなく物寂しい」は、この入り口にあたることがあります。

3つめは、心理的な区切りです。これ、書いていて思ったんですが、案外これが大きいかもしれません。夏の終わり、年度の後半、年末——季節の変わり目は、社会的にも「区切り」がつきやすいタイミングです。区切りがあると、人は自然と振り返りをします。「今年、何ができたんだろう」「去年の自分と比べてどうだろう」。この振り返りが、自己評価の下がっているときに来ると、けっこう刺さります。

つまり、体の消耗と心の棚卸しが同時に来る時期なんですよね。しんどくならないほうが不思議、という言い方もできます。

季節の変わり目にできる5つのこと

一気に全部やろうとしなくて大丈夫です。ひとつ選んで試してみてください。

1. 起床時間だけを固定する
就寝時間はコントロールしづらいですが、起きる時間は比較的そろえやすいです。休日の起床が平日より2時間以上遅れると、体内時計がずれて月曜がつらくなります。差は1時間以内を目安に。

2. 朝、15分だけ光を浴びる
ベランダでも、通勤で一駅歩くのでもいいです。曇りの日でも屋外の明るさは室内よりずっと上です。窓際で朝食をとるだけでも違います。

3. 温度差を減らす工夫をする
薄手の羽織りを持ち歩く、冷たい飲み物を常温に変える。地味ですが、自律神経の仕事量を減らす直接的な方法です。

4. 「今の不調は季節の影響かもしれない」と一度置いてみる
認知行動療法(CBT)では、出来事の解釈を少しずらしてみる練習をします。「自分の性格の問題だ」から「今は時期的な要因もありそうだ」に置き換えるだけで、自分を責める力がふっと弱まることがあります。事実として、そう考える根拠はちゃんとあるわけですから。

5. この時期は「新しい判断」を先送りする
退職、転職、人間関係の見直し。大きな決断は、体調が落ちている時期には避けたほうが無難です。同じ状況でも、体が回復すると見え方が変わることは本当によくあります。2〜3週間おいてから考えても、たいてい遅くありません。

まとめ

季節の変わり目の不調は、根性や性格の問題ではなく、体と環境の変化に対する自然な反応です。まずは「今、体が忙しく働いている時期なんだ」と認めるところから。完璧に整えようとしなくていいので、起床時間か朝の光か、どちらか一つだけ試してみてください!

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