プレイングマネージャーの二重負担を乗り越える法

自分の業務をこなしながら、部下の管理もする。最近そんな「プレイングマネージャー」という働き方をされている方から、しんどさの相談を受けることが増えました。この記事では、その疲れの正体と、今日からできる対処法をお伝えします。

目次

「自分の仕事」と「部下の仕事」に挟まれる感覚

プレイングマネージャーの方とお話ししていると、よく聞くのが「自分の作業時間が全然取れない」という声です。日中は部下からの相談や1on1、会議で埋まってしまい、自分の企画書やレポートは結局定時後や休日に回すことになる。なんというか、二つの役割を同時に生きているような感覚なんですよね。

しかも厄介なのは、どちらの役割も「中途半端」に見えてしまうことです。プレイヤーとしては部下対応で手が止まり、マネージャーとしてはプレイヤー業務で手が回らない。両方頑張っているのに、両方とも不十分に感じてしまう。これ、書いていて思ったんですが、実際にはものすごく両方こなしているのに、本人だけがそれに気づいていないケースが本当に多いです。

さらに言うと、上司からは「プレイヤーとしての成果」を求められ、部下からは「マネージャーとしての対応」を求められる。評価の物差しが二つ同時に走っている状態なので、どちらを優先しても、もう片方から不足を指摘されるような気持ちになりやすいんです。

以前、あるクライアントの方から「昇進してからのほうが、評価が下がった気がします」という言葉をいただいたことがあります。実際には成果は落ちていないのに、本人の中では「両方とも中途半端」という感覚が強く残ってしまっていました。これはプレイングマネージャーという役割につきものの錯覚に近いのではないか、と私は思っています。

なぜここまで消耗するのか

心理学的に見ると、これは「タスクスイッチング」という現象が関係しています。プレイヤー業務からマネジメント業務へ頭を切り替えるたびに、脳はエネルギーを使います。一日に何度もこの切り替えが起きると、実際の作業量以上に疲労が蓄積するんです。

さらに、マネジメント業務には「正解が見えにくい」という特徴があります。自分の仕事なら終わりが分かりやすいですが、部下育成や関係調整には明確なゴールがない。こういう終わりの見えないタスクは、CBT(認知行動療法、物事の受け止め方の癖を見直していく心理療法)の視点で見ても、慢性的な不安や焦りを生みやすいと言われています。正直言うと、これは能力の問題ではなく、構造的にしんどくなりやすい役割なんだと思います。

加えて、プレイングマネージャーの多くは「相談される側」であって「相談する側」にはなりにくい立場にいます。部下には弱音を見せづらく、上司には忙しさを理由に頼りづらい。そうやって誰にも言えないまま抱え込んでいくうちに、燃え尽き(慢性的な疲労で意欲や達成感が失われていく状態)に近づいていくケースを、現場でも何度も見てきました。

もう一つ付け加えると、マインドフルネス(今この瞬間の自分の状態に、評価せずただ気づいていく心の使い方)の観点からも、この状態には注意が必要です。頭の中がプレイヤー業務とマネジメント業務を行き来し続けていると、「今、自分がどれくらい疲れているか」に気づく余裕そのものが失われていきます。疲れに気づけないまま走り続けてしまう、というのが一番怖いパターンなんですよね。

具体的にできること

完璧にこなそうとしなくていいです。まず一つだけ、試してみてほしいことがあります。

●自分の作業時間を「予定」としてカレンダーに先に入れる——空いた時間にやろうとすると永遠に確保できません
●1on1や相談対応の時間帯をあらかじめ決めておく——「いつでも聞きます」は自分を追い込みます
●部下に任せられる判断は、思い切って任せる——すべて自分が決める必要はないです
●「今日やらなくていいこと」を一つ選んで手放す——優先順位づけそのものがマネジメントの仕事です
●週に一度、自分の負担感を振り返る時間を作る——気づかないうちに限界に近づいていることがあります

どれも小さなことですが、積み重なると余白が生まれてきます。特に一つ目のスケジュールの先取りは、多くの方が「意外と効果があった」とおっしゃる方法です!まずは1週間だけ試してみるくらいの気持ちで始めてみてください。

まとめ

プレイングマネージャーの疲れは、頑張りが足りないからではありません。役割の構造そのものが負担を生みやすいんです。全部を変えようとせず、まず一つの工夫から始めてみてください。

もし一人で抱えていることがあれば、カウンセリングで一緒に整理しませんか。初回30分は無料です。

上部へスクロール