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「復職して終わり」にしない
再休職を防ぐ職場復帰支援の設計
復職の可否を判断して、本人に伝えて終わり——そこで力尽きていませんか。臨床心理士・公認心理師として企業の相談窓口を受託してきた立場から、厚生労働省の手引きが示す5つのステップと、復職後にこそ必要なフォローの設計を整理します。
「復職の可否判断」と「復職後の設計」は別の問題
厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」は、職場復帰支援を5つのステップで整理しています。
第1ステップは病気休業開始と休業中のケア。連絡窓口を一本化し、安心して療養に専念できる環境を整える段階です。第2ステップは主治医による復職可能の判断。ここでの診断書は、あくまで日常生活における回復度の判断にとどまります。第3ステップが職場復帰の可否判断と支援プラン作成。最終的な可否は企業の責任で判断するもので、産業医面談を挟みながら本人・管理職・人事・産業医が連携してプランをつくります。第4ステップは最終的な職場復帰の決定。会社として正式に決定し、受け入れ部署への事前説明も済ませます。そして第5ステップが職場復帰後のフォローアップです。
実務でつまずきやすいのは、この最後のステップです。第4ステップの「決定」をもってプロジェクトが終わったような感覚になり、フォロー体制が手薄になる現場をよく見ます。しかし厚労省の手引きでも、復職後3〜6か月は再発リスクが高い時期とされており、支援の重心はむしろここにあります。
再休職を防ぐために、実務で効くこと
「決定して終わり」にしないための3つの工夫
支援プランは4者で作る
本人・上司・産業医・人事のうち誰か1人が決めたプランは、たいてい現場で機能しません。業務量や通勤時間への配慮を、4者が同じ場で具体的にすり合わせておくと、後から揉めにくくなります。
復職後3〜6か月はフォローの頻度を上げる
この期間は面談の間隔をあえて短くします。月1回では変化に気づくのが遅れがちです。心理職による面談を産業医面談の間に挟んでおくと、状態の揺れに早く気づけます。
「元の仕事に完全に戻す」を前提にしない
復職=休職前と同じ業務量、とは限りません。段階的に業務量を戻す試し出勤やお試し期間を挟めるかどうかで、再休職の起きやすさはかなり変わります。
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監修:宮碕 景悟(公認心理師・臨床心理士)/プロフィール
出典:厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(NIVR)「うつ病等の休職者に対する復職条件、企業の措置、復職率」
